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200年越しの手入れ


依頼を受けて山の神信仰の社のある敷地内にある松の古木のお手入れをしました。樹高10メートルくらいの巨大な松ですが、樹齢は200年程度だそうです。

枝をブツブツと切った後は見受けられるのですが、なんとまともな手入れは200年間したことがないとのこと。おばけ松の風情。

枝の間に10センチくらい溜まった枯れ枝と枯葉の中から生きている枝を掘り出すような作業。せっかく掘り出した枝も細くなりすぎてボキボキ折れてしまう有様。それでもおばけのような枝ぶりを綺麗さっぱり手入れし終わると千と千尋の神隠しに出てきた腐れ神様のようにきれいになって「よきかな!」と言ってくれたんじゃないか、と思わせるような荘厳な枝ぶりが姿を現しました。

あるいは松の方はずっとまとっていた枯葉の布団を突然剥がされてびっくりしているのか、木のみぞ知る、という感じですが、お盆祭りやお湯花祭りで集まる人たちにとって愛着の湧く老松になったと思います。

手入れの最中に地元のお爺さんが自分が子どもの頃、枝の三角になっている部分に子供達だけで家を作って遊んでいたよ、あの頃はこんなに大きく無かった、と懐かしそうに話してくださいました。